量子ゼノン効果の本当の意味

量子の波動的作用に関する私の仮説は、量子力学のもう一つの奇妙な性質も説明可能だ。量子ゼノン効果である。これをうまく説明できる仮説はこれまでなかったのではないだろうか。量子ゼノン効果とは、量子の観測頻度を増やすと量子状態からの遷移が抑制されるという効果である。原子崩壊する粒子の崩壊を観測が防ぐことも理論上示されるため、非現実的と考えられ、パラドックスとして扱われることもある。この現象は、私の理論で簡単に説明可能である。つまり量子状態では我々の世界における時間発展は起こっていないと考えるのだ。
私の提唱する量子の波動的作用仮説は次の3つの要素からなる。仮説1)量子状態は、我々の時空間とは断絶状態にあり、時間的共有も起きていない。つまり時間発展が相対的に起きていない(=時間が停止している)。仮説2)量子は我々の時空系内粒子との相互作用(観測もこれに含まれる)により時間発展および波束の収縮が生じる。仮説3)相互作用と時間発展にはタイムラグがある。
以上の仮説を元に、量子ゼノン効果を考察する。仮説1により、観測が量子の初期状態からの変化を抑制することが説明可能となる。仮説1が間違いであり、量子状態においても時間発展が起きているとすると、量子の重ね合わせ状態が変動していることになる。よって観測により量子状態の時間発展が抑制されることが説明できない。仮説2は仮説1からの帰結である。つまり量子状態で時間発展が無いとすれば、時間発展が生じるのは時間発展系との相互作用によると考えるのが自然であろう。仮説3により、量子ゼノン効果の観測頻度の増加による抑制効果の増大が説明される。時間発展系との相互作用において量子が時間発展するまでにタイムラグがあるということはつまり、観測の度にタイムラグが生じることを意味する。つまり観測は時間を止める。

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